2011年8月23日火曜日

ポークリブのオーブン焼きオレンジソース -見かけはゴージャズだけど簡単。調理時間正味30分

職場の近くのマルエツ井土ヶ谷店は結構品揃えを頑張っている。中でも時々珍しい食材が出てくるところが陳列ご担当者の工夫が感じられ、なかなか良いスーパーマーケットだと思う。

先日も肴を物色していると、米国産の豚で骨付きあばら肉を発見。これは普通のスーパーではなかなか売っていなくて、鎌倉の紀伊国屋とか精肉専門店でないと手に入らないように思えるが、これが置いてあった。しかもお値段がリーズナブルで一本700~900円程度。これは廉い!と思わず衝動買いしてしまった。

さて買ったは良いけれども、どういう味にしようかな、等と考えているうちに数日経過。そこで決めたのがオレンジ風味の味。ネットを見ると日本人のレシピは醤油を使用したものが殆ど。もちろんこれも美味しいと思うけれども、いつも醤油ではちと飽きる。そこで今回は新しい味に挑戦。目標は醤油・にんにく・生姜などをできるだけ使わないで肉の美味しさを引き出すことだ。

そこで考えたのがオレンジソース。生活クラブ生協の美味しいオレンジマーマレードに肉に合うと思われる岩塩で味付け。またコクを出すために赤ワインを配合。風味を爽やかにするために黒胡椒、と概ね「味の設計」をしてみた。

材料)

肉 1枚(1kg程度)
オレンジマーマレード 100g
赤ワイン 30cc(大匙2)
岩塩(無かったら海塩でもOK) 7g
ジャガイモ 小 4個(好みに応じて)にんじん1-2本(好みに応じて)
ローズマリー 2~4本程度
ニンニク 8欠程度。無くても良い。
黒胡椒

1.オレンジマーマレード・赤ワイン・塩は混ぜてソースにしておく。
2.肉には塩を軽く振りかけ表面に擦り付けてラップし数時間置く。ただしこのステップは急ぐ時には省略可能。塩を振るだけでOK。
3.時間の余裕があったら、ここでソースに肉を浸し、1日程度放置。余裕が無い時にはこれも省略可能。
4.肉をオーブン皿に置き、周りにローズマリー・にんにく・にんじん・じゃがいもなどを置く。肉に接触させると味がはっきりしなくなるので、触れない程度に距離を置く。特ににんにくは近づけると香りが移ってしまい、意図した味と異なってしまうのでご注意。(にんにく風味も別途美味しいけれども)この上に黒胡椒を振り掛ける。あまったソースは肉の上に載せておく。
5.160度で30~40分程度焼く。
6.黒胡椒やマスタードなどをお好みに応じてつけて頂く。付け合せの野菜類は好みに応じて肉汁をかけたりしていただく。ワインやビールにバッチリ。

以上です。




準備で塩を刷り込んでから待つと味が濃厚になって美味しいけれども、待たなくても食べられます。またソースへの漬け込みもしなくても美味しいです。急いでいる時には1時間以内でできますので意外に簡単です。さらに食べたいものをオーブン皿に並べ、あとは40分放置、と男に向いた単純な調理法です。

結果はとても美味しく、今回は「味の設計」は成功。オレンジと黒胡椒の爽やかな風味と豚肉の美味しさを引き出せたと思います。気に入ったのでまた肉を見つけたらやってみようと思います。次はにんにく醤油風味にしようかな。マルエツさん、これ毎日売ってね。

(文:窪田敏之)

2011年7月7日木曜日

暑さを吹っ飛ばすタイ式レッドカレー

東日本大震災で被災された方々にお見舞いを申し上げます。

私は直接の被災は微々たる物だったのだが、なんだか東北在住の友人達や福島原発、日本の行く末などが気になって少し気がそぞろになっていたようにも思う。その間も色々お料理はしているのだけれども、なかなかブログを書くまでにはならず、少し時間が空いてしまった。

さて、気象庁によれば今年の梅雨明けは未だという事だが、ここ数日はかなりの猛暑。こんな日々は熱帯の人々が食するレシピを楽しむと暑気払いと気分を変えるのに良いのではないだろうか?不思議なもので、寒い気候になると寒い地方のレシピが美味しく、暑い季節には逆になる。食文化というものは、なかなか奥の深いもののようだ。

タイの代表的スープカレーの「レッドカレー」は、レッドカレーペーストとココナッツで材料を煮込むだけで20分ぐらいで誰でも美味しく作れるので暑い日には良いのではないだろうか?

実はタイカレー、ペーストの箱に書いている標準レシピだけでも美味しいのだけれども、バンコクのお店で食べる「プロの味」にはどうも今ひとつ及ばない。ところが最近試行錯誤の末、この「溝」を埋める方法を発見した(ような気がする)

ポイントは生ハーブではないだろうか?もともとタイ料理は生のハーブ類を贅沢に大量に使用して調理する。もちろんレッドカレーの素にはこれらのハーブ類は皆砕いてバランスよく配合されてはいる。しかし「香り」の元になっている物質は揮発性があって、製造後の保存方法や期間などで失われてゆく。

そこで対策。

1.レモングラス・ガランカル・こぶみかんの葉の三大タイスパイスの生のモノを煮込み時に追加。
2.調理終了間際にスイートバジルを千切ったものを一人前あたり半本~一本散らし、火をかける。生のスパイスがあれば最高だが冷凍品でも良いだろう。
3.タイ米を入手して使用する。

実際この対策をしてみるとカレーは非常に香りが高くなり、なんだかホンモノの味にかなり迫れたのではないかと思う。お試しあれ。

レシピ

材料:4人前+(大食い向け4人前)

   鶏肉 400g
   レッドカレーペースト15cc(大匙一杯)~20cc
   ココナッツミルク(缶詰) 400g
   袋茸(缶詰)250g (手に入りにくい時にはエリンギを小口切り一口サイズで)
   たけのこ  200g 程度
   茄子 2-3本

作り方:

   1.レッドカレーペーストをお鍋に入れ、少し炒めて香りを出す。
   2.これにココナツミルクの上澄みの油の濃い部分を100ml程度入れ、強火で2~3分煮立てる。
   3.次に材料を上記材料を入れる。レモングラス・ガランカル・こぶみかんはあればこの時に入れる。
   4.15分~20分で火が通ったら、砂糖適量とナンプラー適量で味を調えて完成。
   5.スイートバジルが手に入ったら最後に入れて軽く煮立てると非常に良い香り。

(文:窪田敏之)